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調査

看護師キャリアレジリエンスに関する調査は終了しました。調査結果の概要は下記の通りです。なお,現在,行っている調査はありません。

看護師キャリアレジリエンスに関する調査結果

調査概要

本研究は看護師のキャリアレジリエンス獲得支援プログラムの開発を目指しています。キャリアレジリエンスとは,自分の思うように事柄が進まない困難な出来事に直面したときに,自分のキャリアや仕事を投げ出さずに,キャリアへの動機を維持し続ける克服力です。今回は,基礎的研究として,キャリアレジリエンス獲得支援仮説モデルを構築するために,これまでの研究成果から関連する要因間の関係を明らかにします。これらの結果を基に,看護師のキャリアレジリエンス獲得のためのプログラムを開発し,看護師さんを対象に支援を行う予定です。

調査方法

調査対象者:全国医療機関勤務の看護職者(809名),このうち有効回答は757名(男性87名,女性670名),平均年齢37.6歳(SD9.40),平均看護経験年数14.5年目(SD9.20)であった。
調査期間:2018年2月 - 4月

調査結果

1.キャリア形成の危機的状況にあるものはないものに比べキャリアレジリエンスが低い傾向にあった。このことからキャリアレジリエンスの獲得状況によってキャリア形成の危機は生じやすく,キャリア形成の危機に対処するためにはキャリアレジリエンスの獲得が課題となる。
2.キャリアレジリエンスの「チャレンジ」や「未来志向」は,キャリアステージ1-5年目の初期では低いがその後のステージでは上昇傾向を示すことから看護職を継続することで経験的に獲得される傾向にあると考えられる。一方,「新奇多様性」や「ソーシャルスキル」は1-2回転職者が未転職者や3回以上転職者に比べて高い傾向を示したことから,キャリアレジリエンス獲得状況とキャリア形成の転機と関連する可能性が考えられる。
3.キャリアレジリンスには本来感,キャリア成熟,意味づけや感情対処傾向などの感情マネジメント力が影響している。

上記の結果は日本看護科学学会38回学術集会と17th Hawaii International Conference on Arts and Humanitiesで発表されました。
なお,本研究はJSPS科研費16K12004の助成を受けて実施されました。